Carten ふるい

ー篩ー
篩にかけられ使われなくなったモノを、新たな篩にかけることで個々の特性を見つめ直し、リ・オブジェクトする。
ハンカチ、テーブルクロス、風呂敷、ストール、スカートなど使われなくなった布たちが、私達の手元へと巡ってきた。
「古いから」もう使わない、という篩ではなく、「寸法」、「色」、「柄」、「透過性」、そして「重さ」といった篩にかけ、この布たちを用いてカーテンをつくることにした。
・隙間をつくらない。
・欄間のように目線より上部は透過させる。
・まくるような暖簾的使い方もできるよう下部に重量を持たせる。
これらの条件を基に布を配置し、ハトメにより点接合で繕った。ハトメは布の寸法が小さいほど近接し、それぞれの布による弛みによって、寸法・重量の差を可視化する。つまり、ハトメの点接合によって、条件が布の個性を顕在化させていく。布たちはカーテンとしての条件を満たすと同時に、私達の篩により堆積した新たなオブジェクトとなる。

クライアント: 夫婦
場所: 某所
完成時期: 2019.12
製作・撮影: Lenz Design