room RS -Mama Taisho-

■room RS  -Mama Taisho-

インバウンド用の民泊長屋に併設されているスナックを寿司barへと変えるプロジェクトです。

敷居の高いお寿司屋のイメージに対し、海外観光者にとってお寿司を身近な文化として体験してもらいたいというお施主様の目標から始まりました。

既存空間はスナックとして利用されており、内装を全て交換し、寿司屋らしさを追求するという方向もあり得ました。しかし、むしろスナックにある界隈性みたいなものによる親しみやすさと寿司屋が融和することで、身近な寿司屋という目標に近づけるのではと考えました。

そこで、既存のカウンター天板のみを交換しました。新しいカウンターは寿司を握る場所は奥行きがあり、シンクの場所は凹んだり、地域の常連さん用の溜まり場があるなど、それぞれの行為に“応答”して形状を決めました。そうして出来た形状もどこか界隈性があり、スナックのママに話すように大将に話しかける、親しみやすい寿司屋になっていきます。

お施主様の目標と既存状態を虫眼鏡で見ることで、工事の手間とコストを抑えながら、新しい文化体験の場が生まれました。


photo by Lenz Design